なぜ何のニュースも無い日まで株価は上下するのか?
表題の件、不思議ではないでしょうか?
株価というものはその企業の財務状態、利益、将来性など全ての要素が織り込まれて世界中の投資家が集合知で評価して付けられているのだから、基本的に「正しい」と考えていました。
なので、実は「割高」も「割安」もなく、今付いている株価はその瞬間瞬間で常に適正評価だと思っていました。
ところが不思議なのは、どの銘柄であっても何のニュースもなくても場が開いている間、結構大きく変動する事です。
一日のうちに1~2%変動する事は珍しくありません。
では、その一日のうちにその企業の価値が本当に1~2%変動しているのかといえば、していません。
いや、実際には外部には見えなくても、その日、その企業内で大きな研究が前進している、あるいは不祥事の芽が生まれているなど実際には企業の価値は分単位で変動してはいると思います。
しかし、それも外部に発表されない限りは分からない事ですから、やっぱりニュースの無い日はその企業の価値は変動してないと云えます。
なので、何のニュースも無ければ株価は一日中、一定であるべきです。
ところが実際には変動します。
米国株でも、寝る前に「おっ、上げているな」と思っても朝起きたら大きく下落している事はしばしばです。
これは何なのだ?
と、思うのですが、結局、これは人間(投資家)の思惑にすぎない訳です。
下落を始めれば売る気が無かった投資家も慌てて売りますし、逆も同様です。
パニックによる場合もあれば、大手機関による操作的なものもあるかもしれません。
いずれにせよ、そこには駆け引きと人間心理が存在して、その結果として「理論的には動く筈がない株価」が動いてしまうのです。
昨今ではコンピュータが取引をしているケースも多いでしょうが、それも人間が考えたプログラムに基づいていますので「下落を始めたら売る」などのように人間心理が反映されています。
さらには人工知能(AI)により作り手の人間も予期しないような取引をしているケースもあるでしょうが、それも人工知能のなかに生まれるパニックや駆け引きが生み出すものでしょう。
なので、株価には企業の成績とは無関係の要素も必ず含まれているといえます。
…で、長々と何が云いたいかといえば、実は「チャート」って大事なのではないかという事です。
正直、これまで私はチャートなんて馬鹿にしていた訳です。
「株価は企業の成績が『正しく』反映されるものなんだから、チャートみたいな過去の傾向を踏まえたもので予想など出来ない」
と、思っていたのです。
しかし、実際に2年ほど株価の色々な動きを見ていると、そうした企業成績など関係ない動きが多々みられ、それは投資家心理に基づくものであるとすると「過去の傾向」から得られる知見(チャート)は思いのほか重要だと感じた次第です。
チャートを長く研究されている方から見れば「今更?」という感じでしょうが、そう今更なのです(笑)。
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